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定期修理について

プラント運転管理

プラントは私たちの生活を維持する上で必要不可欠なものです。そのため24時間連続運転しています。安全・安定運転を確実にするために、1 ~3回/ 年の頻度で定期修理(以降は定修と表記)を行います。

今回は定修について解説します。

この記事を書いた人:Eikou

定修とは

定修では設備を停止し、点検・清掃・部品交換・補修・更新等を行い、次回の定修までの連続運転の信頼性を確保します。

定修における主な作業内容

  1. タンクの開放・点検・清掃・肉厚測定・補修作業
  2. 圧縮機・ポンプ・コンベア等の回転機の分解整備作業
  3. 配管・バルブ等の配管部品の開放点検整備作業
  4. 計測器・センサー等の計器類の点検整備作業
  5. 法的要求事項の規制を受ける機器の点検整備作業
  6. その他の準備作業・付帯作業
定修期間の各工事については、外部の工事業者に依頼することがほとんどになります。

定修の日数

定修期間は、長い場合は1~2ヵ月におよぶこともあります。その間は製品・サービスを提供できなくなるため、如何に定修期間を短くするかが重要になります。

定修期間の短縮のため、24時間連続で工事を継続する場合もあります。作業員は当然交替制です。

 

定修における法規

定修作業の工事業者の人数により統括安全衛生責任者の選任と労働基準監督署長への届出が必要になります。

  1. 統括安全衛生責任者の選任
    【安衛法】第15条
    建設業とその他の政令で指定する事業の特定元方事業者
    統括安全衛生責任者を選任しなければならない
  2. 労働基準監督署長に報告
    【安衛則】第664条
    統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者を選任したら                作業開始後、遅滞なく労働基準監督署長に報告しなければならない

統括安全衛生責任者とは特定元方事業者で選ぶ、安全衛生の最高責任者

特定元方事業者とは特に危険な作業を請け負っている元方事業者

統括安全衛生責任者は、一定の業種について一の場所ごとに選任され、複数の関係請負人の労働者が混在する場所等で労働災害防止に関して指揮及び統括管理を行う必要があります。

統括安全衛生責任者を選任しなければならない業種等については、以下のとおりです。

1)業種

統括安全衛生責任者を選任しなければならない業種は建設業、造船業の2業種で、これらは特定事業といわれます。一の場所で行う仕事の一部を関係請負人(協力会社)に請け負わせている最も先次の注文者を元方事業者といいますが、特定事業の場合は、元方事業者が同一の場所で、複数の関係請負人に仕事を請け負わせることが多いことから、混在作業時における労働災害防止の観点より、特定事業の元方事業者は、特定元方事業者と定められ、安衛法令上の各種義務を負っています。

 

2)一の場所

一の場所の範囲については、労働者の作業の混在性を考慮して定められます。なお、一般的には以下のとおり。

 

3)選任者

統括安全衛生責任者を選任(任命)するのは特定元方事業者です。

4)資格

統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければなりません。なお、統括安全衛生責任者については、統括安全衛生管理に関する教育を受けた者のうちから選任するよう努めてください。(元方事業者による建設現場安全管理指針)

5)報告

特定元方事業者は、事業の開始後、遅滞なく、当該場所を管轄する労働基準監督署長へ特定元方事業者の事業開始報告を行わなければなりませんが、統括安全衛生責任者を選任しなければならないときは、その旨及び統括安全衛生責任者の氏名を併せて報告する必要があります。

6)代理者の選任

特定元方事業者は、統括安全衛生責任者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によって職務を行なうことができないときは、代理者を選任しなければなりません。

7)統括安全衛生責任者の職務

統括安全衛生責任者の職務は元方安全衛生管理者を指揮して、次の事項について統括管理することです。

1) 協議組織の設置及び運営

2) 作業間の連絡及び調整

3) 作業場所の巡視

4) 関係請負人が行う労働者の安全衛生教育に対する指導及び援助

5) 仕事の工程に関する計画、作業場所における機械、設備等の配置計画を作成及び当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人が安衛法又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導

6) その他労働災書を防止するために必要な事項

 

定修の問題点

少子高齢化

少子高齢化により工事担当者の技能の低下をもたらし、熟練従事者の不足や新規工事従事者への技能の伝承・維持が困難になるなどの問題が起きている。

時間外労働時間の上限規制

2019 年 4 月から導入された働き方改革の「時間外労働時間の上限規制(月 80 時間未満、年間 720 時間以内)」について、 80 時間を超えや 100 時間超えの社員や工事従事者が出ており、現状のままでは順守が難しく、「定修の仕組み」を変える必要が出てきている。

定修直前

半年ほど連続運転を継続してきた影響で、設備の所々にガタが出てきます。ベルトコンベアのベルトの摩耗、配管・ケーシングの穴あきによる漏れ・漏風、配管内のスケール付着による詰まり。このような設備トラブルに対応しながら定修を迎えます。

 

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